スーパーヤンキー!!

祭りは思った以上に楽しく、時間が過ぎるのも早く感じられた。眠そうにわたがしを食べている葵葉と蒼茉の手を引きながら集合場所に行くと、たくさんの食べ物を手に、ご機嫌な顔をした郁人と瑛凛と颯真、呆れた顔をして疲れたようにしゃがみこんでいる万冬がいた。


「おう、お前ら早いな。てか食いもんばっかじゃねぇか。腹壊すなよ」


「大丈夫だよ!俺の腹はブラックホールよりいろんな物を吸収出来るからな!」


「……どんな腹してんだよ。気持ち悪ぃな」


「ああ?気持ち悪いってなんだよ!この顔を見ろ!どっからどう見てもイケメンじゃねぇか」


「顔の話じゃねぇよ」


郁人が胸を張って言うと、頼飛先生は呆れた顔でため息混じりに呟いた。


それから俺達は真っ直ぐ頼飛先生の家に帰った。


葵葉と蒼茉が部屋で眠ったのを確認して居間に降りると、郁人と瑛凛と颯真はまだもぐもぐと何か食べていた。


「……頼飛先生は?」


「さっき風呂上がって二階に行ったけど?何?どうかした?」


「…いや、何でもない」


「……蓮。ずっと言おうと思ってたんだけどよ、お前、まだ昔の事引きずってんだろ。だから桜庭を………」


「やめろ」


俺は有無を言わせない低い声で言う。だが万冬は悲しそうな顔で俺を見るだけだった。


「今更思い出したくない。もう二度と俺の前でその話を出すな。俺は引きずってない。もう忘れた」


「………そうか……ならいいよ。それが嘘でも俺はお前を見捨てねぇから」


「………………………」


俺は何も言えず、ただうなだれるしかなかった。


「あれ?そういや俺課題どこまでやってたかなー」


「は?郁人、お前課題なんて一個もしてねぇじゃねぇか。俺と蓮が課題やってる時も一人だけゲームしてただろ」


「……………げぇっ!!」


郁人が考え込むように顔を伏せた後、思い出したのか、目を今までにないくらい見開いた。


「うわあああああああああ!!!!そうだった!!!!夏休みいつまでだ!!?俺夏休みの課題出さないと夏休み明け毎日放課後使ってやらされるんだった!!!!蓮!万冬!頼む!手伝ってくれ!」


「嫌だ。夏休みはあと三日しかない。俺は残りの時間を楽しく過ごさなきゃならないから。一人で頑張ってやれ」


「俺もパス。残りの時間は葵葉と蒼茉と一緒に飯食いに行ったりするから。それに、課題をやってなかったのは郁人なんだから自業自得だ」


「くっそぉぉぉー!薄情者おおおおおお!いいさ!俺一人でも終わらせてやるっ!見てろよ!」


郁人が頭を抱えながら強がるのを見て、俺と万冬は笑う。ちゃっかり瑛凛と颯真も影で笑っていた。もう夏休みもあとわずか。夜の闇はだんだんと濃くなってきている。