俺は親父かられんれん達へと視線を戻すと、ついつい敬語を忘れて話す。
「アンタら、どうして白蘭にあんな沢山の不良共を集めた?そしてどうやって……白蘭を守ってくつもりだった?」
「………何?」
「俺らが白蘭を守るだと?何を言ってやがる」
「俺たちはただ、白蘭の上に立ち、弱い奴らを支配して楽しませてもらってるだけだぜ」
高2のれんれんといくとんとまふまふが言い返してくる。だがこちらも引かない。
「嘘つけ。こっちはいろいろ調べてんだよ。アンタらあの不良共にちゃんと授業受けさせてるらしいじゃねぇか。だからあんな学校にも教師がちゃんといるわけだ。それに、頭を床に擦りつけて頼み込んだそうじゃねぇか。教師を白蘭高校にもちゃんと雇ってくれってな。でもどうしてそこまでする?何の為にそんな事してる?」
「…………」
誰も何も言わない。無言の肯定か。だが、れんれん以外の六人は少し驚いた顔をしていた。れんれんに六人の視線が集まる。れんれんは気にした様子もなく俺を見ている。
「いつからそんな事してる?何がきっかけだった?アンタらがあの不良共を助ける事で何か得られるモンでもあんのか?」
「…………」
シーンと静まり返った。誰も言葉を発しようとしない。七人全員、俺から目を背ける。俺には言いたくねぇってか。この野郎。
「……メンシェンフレッサァ…」
静寂した雰囲気を打ち破ったのはれんれんだ。やっと隠しても無駄だと気づいたか。
「ドイツ語で、意味は"人喰い"」
まふまふが続けるように話し出す。
「……四年前、俺と蓮と郁人がまだ中1だった頃だ。そう名乗るグループが現れやがったのは」
まふまふの表情は悲しそうでもあり、自分への怒りを表しているようでもあった。
「その時の俺らには何も出来なかった。周りの奴らが少しずついなくなっちまってた事も分かってたのに……それに、"あいつ"の事も」
「チッ!クソ野郎が!思い出したくもねぇ!」
「いつかぜってぇぶっ殺してやる!」
いくとんやえいりんやふうちゃんがあからさまに怒りを露わにしている。よっぽどの事があったんだろう。あおばんやそうまちんも先輩達に遠慮してか口には出さないが、表情は怒りで満ちている。俺はあまり刺激しないように敬語を意識して話す。
「何があったのか話してくれますか?」
「……話したらどうなんだよ?あ?てめぇに何が出来る?お前には一生分かんねぇよ」
いくとんが言うと、あおばんも俺を睨みつけて目で「関わるな」と言ってくる。沢山ピアスがついた顔で睨まれるのは結構迫力があるもんだなぁ。俺は率直にそう思う。だが俺は怯むことなく、むしろ自信たっぷりに答える。
「俺にはアンタらの手伝いが出来ます。アンタらの憂いを晴らしてやれるんです。俺は、アンタらの気持ちを共有できます。これは根拠の無い自信じゃないんです。確実な事実です」
「何を言ってやがる……そんなもん信じられっか!」
「信じられなくても本当の事なんです」
俺が何を言ってもなかなか認めようとしない七人に、今まで黙って聞いていた親父が低い声で一言、
「龍花は嘘が死ぬほど嫌いな奴だ。噓なんざつかねぇよ。それに、こいつは他の奴とは違う。どんな奴とでも、どんな事でも共有出来ちまう。したくなくてもな」
と言うと、「見せてやれ」とでも言うように目で俺の方を見て、もう一度れんれん達に目をやる。仕方ねぇな。正直こんな事したくなかったんだがな。
俺は渋々七人の方を見て言う。
「……えいりん。あんたさ、ちょっと心の中で俺に何か言ってみなよ」
「はぁ?イカれちまったのかこいつ」
「いいから早くしろよ」
俺が言うと、周りの視線に気がついたのか、渋々と言った表情で俺と向き合う。
「………」
「……ありがとよ。だが、"早く死ね"はねぇだろ。ひでぇじゃねぇか」
「……なん…だと?」
「今お前が心の中で言っただろ。ったく。いくら俺でもそんな事言われたら悲しくなるじゃねぇか。もっと優しい言葉をかけられねぇのか」
俺がグチグチ文句を言っていると、えいりんは俺の顔を信じられないといった顔で見ている。他の六人は困惑した顔で俺とえいりんを交互に見る。そして、ついにいくとんが疑問を口にした。
「おい瑛凛、お前今こいつに心の中でなんて言ったんだよ?」
「そいつの言った通り、早く死ねって言った」
「まさか…本当に分かるっつうのか…?」
「だからそう言ってんじゃないですか。皆して酷いなぁ。でも、俺は人の心が読めるわけじゃ無いんですよ?ただ、何となく"感じる"んです」
「感じる…?」
七人全員がさらに困惑したような顔を向けると、親父がそれに答える。
「まあ、生まれつき持った才能みてぇなもんだ。だから、頭で考えても龍花以外、誰にも分かりゃあしねぇよ。ただ分かるのは、その場にいなくてもそん時そん時でいろんな奴の感情を"一度に全て"共有出来ちまうって事ぐれぇだな」
「一度に…全てだと…?」
俺は頭が痛くなるのを感じながら、
「そうです。…もういいですか?そろそろ本題に戻したいんですけど。まだ信じられませんか?」
「……………………」
「……………そうだな。こんな事をしてても時間の無駄だろう。どうせ、話すまで帰さないつもりみたいだからな」
れんれんが俺の空気を感じとったのか、そう言って、やっと過去を語り出す。
「アンタら、どうして白蘭にあんな沢山の不良共を集めた?そしてどうやって……白蘭を守ってくつもりだった?」
「………何?」
「俺らが白蘭を守るだと?何を言ってやがる」
「俺たちはただ、白蘭の上に立ち、弱い奴らを支配して楽しませてもらってるだけだぜ」
高2のれんれんといくとんとまふまふが言い返してくる。だがこちらも引かない。
「嘘つけ。こっちはいろいろ調べてんだよ。アンタらあの不良共にちゃんと授業受けさせてるらしいじゃねぇか。だからあんな学校にも教師がちゃんといるわけだ。それに、頭を床に擦りつけて頼み込んだそうじゃねぇか。教師を白蘭高校にもちゃんと雇ってくれってな。でもどうしてそこまでする?何の為にそんな事してる?」
「…………」
誰も何も言わない。無言の肯定か。だが、れんれん以外の六人は少し驚いた顔をしていた。れんれんに六人の視線が集まる。れんれんは気にした様子もなく俺を見ている。
「いつからそんな事してる?何がきっかけだった?アンタらがあの不良共を助ける事で何か得られるモンでもあんのか?」
「…………」
シーンと静まり返った。誰も言葉を発しようとしない。七人全員、俺から目を背ける。俺には言いたくねぇってか。この野郎。
「……メンシェンフレッサァ…」
静寂した雰囲気を打ち破ったのはれんれんだ。やっと隠しても無駄だと気づいたか。
「ドイツ語で、意味は"人喰い"」
まふまふが続けるように話し出す。
「……四年前、俺と蓮と郁人がまだ中1だった頃だ。そう名乗るグループが現れやがったのは」
まふまふの表情は悲しそうでもあり、自分への怒りを表しているようでもあった。
「その時の俺らには何も出来なかった。周りの奴らが少しずついなくなっちまってた事も分かってたのに……それに、"あいつ"の事も」
「チッ!クソ野郎が!思い出したくもねぇ!」
「いつかぜってぇぶっ殺してやる!」
いくとんやえいりんやふうちゃんがあからさまに怒りを露わにしている。よっぽどの事があったんだろう。あおばんやそうまちんも先輩達に遠慮してか口には出さないが、表情は怒りで満ちている。俺はあまり刺激しないように敬語を意識して話す。
「何があったのか話してくれますか?」
「……話したらどうなんだよ?あ?てめぇに何が出来る?お前には一生分かんねぇよ」
いくとんが言うと、あおばんも俺を睨みつけて目で「関わるな」と言ってくる。沢山ピアスがついた顔で睨まれるのは結構迫力があるもんだなぁ。俺は率直にそう思う。だが俺は怯むことなく、むしろ自信たっぷりに答える。
「俺にはアンタらの手伝いが出来ます。アンタらの憂いを晴らしてやれるんです。俺は、アンタらの気持ちを共有できます。これは根拠の無い自信じゃないんです。確実な事実です」
「何を言ってやがる……そんなもん信じられっか!」
「信じられなくても本当の事なんです」
俺が何を言ってもなかなか認めようとしない七人に、今まで黙って聞いていた親父が低い声で一言、
「龍花は嘘が死ぬほど嫌いな奴だ。噓なんざつかねぇよ。それに、こいつは他の奴とは違う。どんな奴とでも、どんな事でも共有出来ちまう。したくなくてもな」
と言うと、「見せてやれ」とでも言うように目で俺の方を見て、もう一度れんれん達に目をやる。仕方ねぇな。正直こんな事したくなかったんだがな。
俺は渋々七人の方を見て言う。
「……えいりん。あんたさ、ちょっと心の中で俺に何か言ってみなよ」
「はぁ?イカれちまったのかこいつ」
「いいから早くしろよ」
俺が言うと、周りの視線に気がついたのか、渋々と言った表情で俺と向き合う。
「………」
「……ありがとよ。だが、"早く死ね"はねぇだろ。ひでぇじゃねぇか」
「……なん…だと?」
「今お前が心の中で言っただろ。ったく。いくら俺でもそんな事言われたら悲しくなるじゃねぇか。もっと優しい言葉をかけられねぇのか」
俺がグチグチ文句を言っていると、えいりんは俺の顔を信じられないといった顔で見ている。他の六人は困惑した顔で俺とえいりんを交互に見る。そして、ついにいくとんが疑問を口にした。
「おい瑛凛、お前今こいつに心の中でなんて言ったんだよ?」
「そいつの言った通り、早く死ねって言った」
「まさか…本当に分かるっつうのか…?」
「だからそう言ってんじゃないですか。皆して酷いなぁ。でも、俺は人の心が読めるわけじゃ無いんですよ?ただ、何となく"感じる"んです」
「感じる…?」
七人全員がさらに困惑したような顔を向けると、親父がそれに答える。
「まあ、生まれつき持った才能みてぇなもんだ。だから、頭で考えても龍花以外、誰にも分かりゃあしねぇよ。ただ分かるのは、その場にいなくてもそん時そん時でいろんな奴の感情を"一度に全て"共有出来ちまうって事ぐれぇだな」
「一度に…全てだと…?」
俺は頭が痛くなるのを感じながら、
「そうです。…もういいですか?そろそろ本題に戻したいんですけど。まだ信じられませんか?」
「……………………」
「……………そうだな。こんな事をしてても時間の無駄だろう。どうせ、話すまで帰さないつもりみたいだからな」
れんれんが俺の空気を感じとったのか、そう言って、やっと過去を語り出す。

