普段は憎たらしいくらいモテモテな2人で俺とは違う存在。
…だけど俺の存在は決して忘れたことは無い。
どこに行くにも「アスはどこがいい?」とか、「アス、行くよー」とか絶対に俺の名前を呼んでくれる。
必要とされてる、俺は2人の間に存在している、と示してくれる。
この2人は憎たらしい…
…―けど、自慢で、格好良くて、頼もしい、俺の幼馴染。
「……へへっ、そっか…。ありがとな!」
俺も負けじと2人に満面の笑みをうかべる。
……そしたら何故かピシッと固まる俺の幼馴染。
「…そ、それは反則!」
と、頬を赤く染める璃壱。
「だから無防備すぎるんだ…」
と、ブツブツ言う時雨。
「ん?どうしたんだ?」
俺はそんな2人の反応に首を傾げると、
「も〜アス、エロかわいい!」
そう言ってまたもやガバッと抱き着いてくる璃壱。
「…なっ!え、エロ…かわいいってなんだよ!」
“エロ”の次に“かわいい”がついた。
どちらも男の俺に言っても喜ばしくない単語である。
必死に引き離そうとするが当たり前のように俺の力じゃ到底無理で、悪戦苦闘していたら、時雨が璃壱の首根っこを掴んだ。
「…うわっ!」
璃壱は俺から離されたが、その反動で俺はボフンとベットへ倒れ込む。

