よいしょよいしょと、伸ばしても2人の足の長さにも到底及ばない俺の短足をズボンに入れる。
そんな俺を璃壱はじっー…と見てくるもんだからスボンを履く動作を止める。
「璃壱、なんだよ。こっち見んな。」
そう言っていつの間にかベットの上に座っていた璃壱を睨む。
璃壱は俺の睨みにハハッと笑ってニッコリと。
「いや〜…アスってエロいよな〜って思ってさ。」
爆弾発言である。
「…なっ!」
いきなりそんな事を言われても嬉しい訳がなく、それに同性に言われるのだから恥ずかしさがでてくる。
おそらく俺の顔は真っ赤だろう。
「だってさ〜そんな白くて細身の体なのに腹筋はちゃんとついてるしさ、ダボダボのスワェットってなに、エロすぎ。
それに、座りながらスボンを履くとかもっとヤバイ。」
先ほどまでのニッコリはどこにいったのやら、真剣な顔でそう言う璃壱はふざけているように見えなくてもっと恥ずかしくなった。
「な、何言ってんだよ!バカじゃねーの!」
俺はいたたまれなくなって璃壱の視線から逃れようと斜め下を向く。
「え〜本当の事だし。なあ?時雨。」
と、璃壱の横に移動していた時雨の方を向く。
「ああ、アスは無防備すぎだ。もっと自覚をした方がいい。」
そして時雨もコクリと頷き璃壱の意見に賛成するんだ。
無防備すぎるって言われても俺は男だし、自覚って何を自覚すればいいんだよ!
俺は恥ずかしさと意味わからない発言で頭はこんがらがって、怒鳴ってしまう。
「分かってる!俺は1人じゃ何もできないことぐらい…!」
俺は1人じゃ何もできない。
そんなの幼少期の頃から自覚しているつもりだ。
2人がいなかったら何もできないことぐらい分かっている。
自分でちゃんとできるように努力しなければいけないのに、つい2人に甘えてしまう。
自分でそれが分かっていてもそれを直せない自分に腹が立つ。
不甲斐ない自分に腹立ってなのか、意味分からないことを言われてなのか、どちらか分からないが涙が次々に流れ出る。
「……ふ…ぐすっ…っ…」
朝からなに泣いてんだろ俺。…情けないっ。
涙を止めようとシャツの袖で流れる涙を拭こうとしたら下を向いていた顔が上へ向けさられる。

