今日は入学式。




さぁ俺の華の高校生活が始まる!




――ってことはなくて。




「飛望ー!時雨君と璃壱君来てるぞー

それと、父さん、もう仕事行くからな〜
朝食はテーブルの上に置いてあるから食べろよ〜」




「……はーい。」




1階から聞こえる父のテノール声。




と、玄関のドアが閉まる音。




起きたばかりの俺にその名前が不機嫌にさせる。




目をゴシゴシとこするが、なかなか目はさえない。




「…くあぁ〜〜」




伸びとともにあくびをする。




さぁ着替えようとパジャマという俺の身体には大きすぎてダボダボのスワェットを脱ごうとする。




が、まだ起きたばかりだから頭がハッキリしてなくてついついボーっとしてしまい、思っていてもなかなか行動に移せない。




仕方がないじゃん。朝、弱いんだから。




そんな言い訳を誰にしているやら、突然部屋のドアが開いた。




開ききってない目をそちらに向ける。




そこには憎たらしいほどキラキラオーラがでている2人の幼馴染がいた。




最初に口を開いたのは、栗色の髪の毛は天パらしくウェーブがかかっている奴。




「おはよ〜アスッ!」




そう言って後ろから抱き着いてくるコイツは日暮 璃壱(ひぐらし りいち)。




俺よりはるかに背が高い璃壱は少し猫背になりながら俺の頭に自分の顎を置く。




少しイラァっとする行動だがこれはいつもの事。