「…これからは忘れるなよ。」 「はーい。」 俺が忘れても時雨が持ってきてくれるから安心だけどな。 そうこうしている間に壇上には先生と思わしき人が立っていた。 「璃壱、起きろ。始まるぞ。」 「んにゃ…、もう朝?」 「朝じゃなくて、いや、朝だけど。 入学式始まるから。」 どうやら本当に寝ていたようだ。 どうりで静かだと思った。 「ん〜〜〜…」 璃壱は伸びをすると、ダランとした姿勢で前を向く。 俺も前を向き良い姿勢とは言わないが、壇上の方に目を向ける。