「先生が急遽、用事が入っちゃってね…掲示されてたと思うんだけど?」 「見てない…です」 はぁ、とため息を吐く私を見て辰巳さんは苦笑いを浮かべている。 今日は講義はゼミだけで、ゼミのために大学へ来たのに… 帰るか、仕方ない。 休みなものは仕方ないのだ。 「じゃあ帰りますね。教えてくださってありがとうございました。」 辰巳さんへ一礼して、来た道を帰ろうとすると呼び止められた。