すっかり講義に集中していた私は、講義が終わり横を見て思い出した。 辰巳さんと一緒だったことを… 「随分、熱心に聞いていたみたいですね」 「あ、はい。山本先生の講義はおもしろいので…」 「確かに、僕もこんな講義が出来たら良いんだけど」 「出来ると思いますよ?期待してますから」 お世辞じゃなく、辰巳さんならおもしろい講義をしてくれると思ったから、言葉にした。 辰巳さんは一瞬驚いたような表情をしたが、またいつもの微笑みで「ありがとう」と私に応えた。