中には泣いてる人もいる。
「わざわざありがとうね?
……俺に逢坂を潰すチャンスができた」
「あなたじゃ無理」
「すげえ美人なのに、気が強いの……
嫌いじゃねぇけど、タイプじゃねぇな」
「あら、私はあなたの顔も髪もなにもかも好きではないから安心して」
わーわーと後ろで再び乱闘が始まったのがわかる。
負傷してるAEGISのメンバーはたくさんいる。
この人がこの戦いに参加したら厄介だ。
……私が、千哉がくるまでこの人を足止めする。
「紬サン、」
「新は休んでて」
「……なにお前?
お前が俺の相手してくれるの?」
「……ええ、足止め程度に、ですけど」
「そんなひょろっちい身体でなにいってんだ、よ!!」
そう言ってソイツは私を思いっきり殴り飛ばした。
身体は少し浮いた。
「紬サン!!!」
……でも、
「……全然、痛くない」
切れた口から血が出たから拭う。
でも、全然痛くない。
彼らの……雷神の力に比べれば。
「あなた、それ本気?
痛くもなんともないんだけど?」
「……ふざけんなよ女」
殴られなれてる私に、そんなの効かない。
もっと、殺すつもりできてくれなきゃ。
……翔平さんみたいに。



