「あん? …………へぇー、女いるじゃん」
「紬サン……」
「新、今すぐに千哉呼んで」
「でも俺達……」
「大丈夫、説明はしなくていい」
「……え?」
「助けて、ってすぐきてくれって。
そう一言いえば理由を言わずとも来てくれると思うよ」
千哉は、そういう人だ。
不器用だけど、誰よりもみんなのこと好きだ。
大丈夫。
千哉は絶対来る。
「あ~そっか、お前らよぇーーなーーーって思ったのって。逢坂がいないからか」
なるほどね、とソイツは一人で納得すると新を突き飛ばした。
私は新に駆け寄った。
新はもう、千哉に電話を掛けていた。
『どうした』
1コール目で、千哉が出る。
「俺、俺達……」
そこからが、なかなか言えない。
その時、新がふらついて、ピッという音がした。
『…………新、今、お前に俺は必要か』
そんな、声がスピーカーで倉庫に流れた。
千哉の俺は必要かって声。
頼れって言われてるみたいだと私でも感じた。
みんなが、その1つの携帯に集中する。
『必要なら…………なにも訊かないから。そう、言ってくれ
すぐに行く』
そんな千哉の声にうおおおおおおおとAEGISのみんなが騒ぎだす。
「千哉さん……」
「千哉さん……」
「総長……!」
「「「助けてくれ!!!!!!」」」
『待ってろ』
そう言って、電話はきれた。



