「千哉には言いづらいんだろうね。
……怒られるって思ってるかも」
十中八九そうだろう。
千哉は強くて、多分圧倒的な存在。
その千哉が軸ならばブレないはずの組織。
なのに何故、こんなにもAEGISはアンバランスなのだろうか。
「……僕からは詳しく言えないけどね。
アイツらが千哉とちょっと距離があるのは、千哉にちょっと勘違いをしているからだよ」
「勘違い……?」
「そうそう、でもね、僕や伊織が正解を言ったってなんもいい方向には進まないでしょ?
だから、アイツらが気づくの待ってる」
そう言ってどこからかペロペロキャンディーを取り出した真白くんはそれを舌を出して味わう。
それが妙に色っぽくて、
これが最初千哉に注意するように言われた、真白くんの誘惑なのか……
真白くんはそしてその目で上目遣いに私を見ると、口角をあげた。
「一口、食べたい?」
ダメだこの子!!!