「やっぱり……幹部なのに倉庫行かないの?」
「知らないものは知らないからね」
今のこの揉め事は、実は結構長期化していた。
何故かをきくと、伊織さんが言っていた。
『俺らは、なにも知らないから』と。
つまり、今回の揉め事は、
千哉、伊織さん、真白くんの3人が、幹部なのに全く関わっていないということになる。
さすがに幹部三人が全く動かないという状態は、AEGISの戦力が著しく下がってしまう。
「真白くん……、千哉たちは動かないの?」
「アイツらが勝手にどこかの族と揉めたんだ。
……勿論、それで僕らに報告をくれたら動くよ。でもなんも言ってこない。
伊織には何度か言おうとしてたけどね?
伊織が、聞く耳をもたない」
伊織さんが聞く耳をもたないのは、おそらく
「それを報告すべきなのは自分じゃなくて千哉である」
と、思っているからじゃないだろうか。