ちょっと慌ててる千哉を横目に、私は笑った。
「……残念だけど、
タイプじゃないから」
ニコッとそう言い切ると、彼の顔はスッと笑顔を消した。
「タイプじゃないって……キミ、失礼すぎる。」
「ごめんね」
「なに? 誰が好みなの?
やっぱり千哉みたいな、見た目はヤンキー、でも中身はピュア! みたいなギャップ系男子?」
「誰がピュアだよ」
千哉は見た目がヤンキーだけど中身はピュア?
まさかね、女慣れしてそうじゃん、とチラッと見ると千哉の耳は真っ赤だった。
「見るな」
「……え、ほんとにピュア男?」
「見るな」
「ほんとなんだ……」
「……っ、おい、もう行くぞ……。
病院だ、病院……真白んち世話になるぞ」
「あからさまに話そらした……」
プイッと顔を背けた千哉は、少し乱暴にそのまま歩き出した。
揺れる背中にしがみつく。
白の少年がつくった道を通ると、険しい顔をしたヤンキーたちと目が合いそうになる。
けど、合うことはないのだ。
彼らが見てるのは、千哉だから。
千哉はその視線が当たり前かのように、そこからは無言のまま、外へ出た。



