あたしがカバサワと別れた、という話が広がって、女子がカバサワに近づき始めた。 となりのクラスのマユというケバい女が、一番強くプッシュしているみたいだった。 マユとカバサワが楽しそうにおしゃべりしているところを、遠くから見た。 なぜだろう。あたしの胸がモヤモヤするのだった。 モヤモヤの正体はわからない。 けれど、ひとつはっきりしていることがある。 このあいだ、あたしはお兄ちゃんを失った。 そして今、あたしはカバサワも失ったのだった。