「あっ、うん、……ごめんね」



「うぅん全然、こっちこそ、ゴメンね呼び止めて!」



 芹香は

 そのまま小さくバイバイして

 教室に戻っていった。



 その笑顔が真夏のヒマワリみたいに、元気で可愛い。



 芹香がわたしに頼むなんて

 めったにないのに

 悪かったな……。



 今度は、手伝ってあげよう。



 不意に

 廊下の窓から教室の時計が見えた。



 ヤバい☆ 



 着替える時間

 なくなっちゃう!!



 慌てて、家までの道を帰った。





 今日は――





 卯月さんに付き合って

 わたしらしい感想を言う

 と、言うデートらしい。



 メールで来た

 待ち合わせ場所は

 降りたことのない駅の名前だった。



 何にもなさそうな、住宅地が並んでいる所だったような気が……。



 いったい、卯月さんは

 わたしに何を

 見せたいんだろう???