次の土曜日――





 4時間目のチャイムが鳴った。



 号令をすませた後、わたしは、早々としまっていた荷物を抱えて、教室からこっそりと出ようとした。



「あかり、帰るの早いじゃん、どうしたの?」



 後ろから、芹香に呼び止められる。



 わゎっ!!



「うっ、うん」



 卯月さんとデート

 だとは言えないから……。



「ちょっと用事があって、芹香は今日も部活?」



「うん、今日他校と練習試合で、今から準備でパタパタなんだ」



 へぇ、練習試合かぁ。



「忙しそうだね」



「うん、あかりに手伝ってもらおうと思ってたんだけど、用事あるんだもんね……」