「今日のデートに名前をつけて欲しいんだ」



 えっ!?



「名前、ですか?」



 デートに名前って

 つけたりするモノなのかな?



「うん!」



「……」



 でも、わたしの頭の中にはすでに、ポンっと1つの画像が浮かんでいた。



 言っても

 笑われないだろうか?



 わたしは、頭に浮かんだ花の名前を言おうとした。



「……らいろ」



「えっ?」



 思ったより声が出ていなくて

 慌てて言い直す。



「薔薇色、デート……」



 う~、やっぱり恥ずかしいなぁ。



「……薔薇色デート、綺麗な名前だね!」



 卯月さんの言葉に

 わたしはホッとして息をついた。