もう、訳の分からない1日だった。
 知らない人に沢山声をかけられた。
クラスメイトも、分からない。
先生も、分からない。
なんにも、分からない。

 スクールバッグを掴んだ手を、誰かに掴まれた。

「きゃあっ。」

「沙夜、、、、」

「なに?」

後ろを振り返る。
真後ろの、あの子がいた。

「沙夜、記憶喪失なの?」