桜舞う

『おめでとう………皐君…………』

沙夜さん。
沙夜さんの声は、とても悲しそうな声だった。
まるで、悲しいし、寂しいけれど僕等を応援しようとしているみたいだった。

「沙夜さん……………」

そして、鼻をすする音が聞こえた。
また、涙声の沙夜さんの声も。

「沙夜さん、僕は…………」

僕は沙夜さんがいいのに。
紗耶香は何処か幼くて、馬鹿で、そして忙しくて。