桜舞う


「きゃあっっっ。」

わざとらしく、それも嘘っぽく。
叫び声をあげる。

「沙夜ぉ。」

涙声で名前を呼ぶ。
これで最後になると、信じて。

「ゔゔっ。」

苦しそう。
クスクス。
これがあたしの望みだから。

そして、死んだ沙夜を睨みつけて言う。




「沙夜、サヨナラ。」