桜舞う

「あぁ、『鈴木皐君』。」

「はぁい。皐君。あたしの事、知ってるみたいだね。」

「はぁ。」

なんて返事すればいいのか戸惑ってしまいます。

「それより沙夜!何で電話出てくれないの?」

「これ見てわかんないの?」

あぁ。
それもそうだ。
僕よりもひどい怪我の彼女は、まず動く事さえ無理であろう。

「全然勉強わかんないのよー。」

「この前習ったでしょ。はぁ、あんた、寝てたでしょ?どの口がそれを言うか。」