2人が帰った後、隣のヘッドの少女を見た。
『汐佐波沙夜』
ベッドにはそう、書いてあった。

 彼女は机にテキストを何冊も並べて読んでいた。
 同い年だって聞いたのに、かなり大人っぽい顔立ちの少女だった。

 勉強が済んだのか、窓を眺め始めた。

「ふぅ。」

と、溜息をついていた。

「あのぉ。」

声をかけてみようと思う。
小さな声で、声をかけてみた。

「何ですか?」

え?
聞こえたの?
本当に?
す、凄い………