「もしもし、パパ?生意気な女がいるんだけど、親潰してくれない?!」

口元をニヤリとさせながら、得意気にこちらを見てくる。

そんなバカ女の言葉を聞きながら。

『ねぇ、桐?こんな風に何人親をリストラしたり、会社潰したりしてきたんだろうね?そんな悪徳会社いらないよね?』

私は自分が正しいことをしてるなんて思ってないけど、この辺で止めてあげなきゃ周りがこれからも迷惑よね。

「ああ、だな。いらねぇな。」

『今回は表のうちが出た方がいいかな。』

「どっちでも良さそうだけど。」

私はケータイを出して、メールを作る。

『あっ、柚乃。彼女名前何?』

いつのまにか後ろにいた柚乃に聞く。

なかなかの情報通なんだよね。

「森口瑠璃。森口コーポレーションの次女。」

『了解。』

「森口ごときが舐めたまねしやがって。」

辛辣な桐のセリフ。

悪い桐もカッコいい!

メールを打ったあと、飛びつく私をぎゅっとしてくれる。

『桐カッコいい!』

「いつもじゃないの?」

笑いながら、顔を覗きこんでくる。

『いつも全部!』

ニコニコ笑って嬉しそうだ。

「はぁ?パパ何言ってるの?!誰にケンカ売ったって…だから、相馬蓮って女だって言ってるでしょ!…バカって何?!」