昼食を済ませると、私はセンパイを置いて友達である沙凪とルカの元へ向かった。
なんだかやっぱり...センパイと2人きりなんて、なれていないから恥ずかしい。
沙凪とルカは私の姿を見てニヤける。
「やあやあリア充さーん。
昼食タイムは楽しめました〜?」
ルカが飛び跳ねながら聞いてきた。
楽しめたか
って聞かれたらそりゃあ
楽しかったに決まってる。
...あの昼食タイムを思い出しただけで赤面してしまう。
亮太センパイの...笑顔。
太陽に負けないくらいに
キラキラしたあの“笑顔 ”。
...ニヤけが止まらない。
「あーっ。由宇ってばニヤけすぎ!!
むっ...。もーいいなぁー」
ルカがそう言うと、
沙凪が私の髪をワシャワシャする。
沙凪は無言のまま、私の髪をワシャワシャし、微笑むと涙を浮かべた。
────?!
「沙凪?
なっ...泣いてる...?」
「だってさ...
こんな幸せそうな表情の由宇みるの久しぶりだから...っひっくっ...。」
「あーもーーっ。沙凪泣くなぁ!
...私まで泣くよ〜」
やだなぁ、私まで泣きそうになる...。
でもこんなに喜んでくれている友達に、
私は嘘をついていることになるのだろうか...。
亮太センパイは、私を好きになっているわけじゃない。
...それは分かっているのに。
今日、一緒にお昼ご飯食べて分かった。
やっぱり...ドキドキしてる。
────ダメなのは分かっているのに、
センパイの笑顔に惹かれてしまった。
あの“ 笑顔”は、ホンモノだ。
私のココロをあたたかく溶かしてくれた。
私は由宇。
亮太センパイから見た私は、“ 未宙”。
それでもいい。
もう、いい。
...いいんだ...。


