センパイ、私は由宇です…。




待ち合わせ場所のG公園に到着。


あれ?亮太センパイがいない...。



「みーそらっ!!」


突然、聞いたことのあるような声の人物が後から目を隠してきた。




この声は...亮太センパイだ。



「りょ、りょーちゃん!!
もーびっくりしたよ!!まだ来てないかと思った」




「だって、未宙の反応が毎回おもしろいんだもん。」



「もー」


私は、“もー ”と言って頬を膨らませた。


亮太センパイが、私の頬をツンツンする。


...わぁ、なんだか本当に夢みたい。



私、こんなイケメンに頬をツンツンされてる。



だから、未宙は毎日幸せそうだったんだな...。

こんなに素敵な彼氏さんがいたから...。



そう考えるとまた、ココロがズキンと痛む。



まるで、心臓を小さな矢で突かれているようなかんじ。



「あれ?未宙...元気ない?」



「元気だよ!!
私、りょーちゃんとのデート凄く楽しみにしてたんだよ!!」



「...ありがとう」



優しく微笑むセンパイがカッコよくて...可愛くて。


いつもは、前からとか後から抱きつくことが多いけれど...。



今日は、横からセンパイに抱きついた。



センパイが着ているダッフルコートから、ほんのり優しい香りがする。


抱きつく私に、亮太センパイが、頭を優しく撫でてきた。



私って、亮太センパイの隣に居ればいるほど欲が強くなっていく。



亮太センパイは、“未宙の彼氏 ”なのに。






...この気持ち、
いつか伝えられる日が来るのだろうか。