11月中旬。
今日は、日曜日。
亮太センパイとデートをする日。
センパイにとっては、初デートじゃないけれど私にとっては、今日がセンパイとの初デートになる。
服はやっぱり未宙が着ていた服が良いかな...。
んー、
未宙の服、勝手に着たら駄目かもしれないし。
...とりあえずお母さんに聞いてみようかな。
「ねえ、お母さん。
未宙が着ていた服、着てもいい?」
「いいけどー...。
あら?珍しいわね。どうしたの?」
「い、いやぁ...。
未宙が着てた服でかわいいのあったから!!」
「あら!
そういう事ね!!」
...ホッ。
亮太センパイとデートに行くって知られたらやばいなぁ。
センパイが毎朝、家に来ているのもなんとかお母さんには誤魔化してるし...。
“ 未宙”の彼氏だもん。
私がデートなんかしてたら変だよね。
でも、せっかくセンパイが誘ってくれたデート。
行かないと後悔しそうで、断れなかった。
私は、未宙の部屋に入りタンスやクローゼットを開ける。
かわいい服ばかりだなぁ。
私が持っている服は、主にスポーティ系。
だけれど、未宙の持っている服はガーリー系が多い。
ガーリー系かぁ。
私にもガーリー系似合うかな...。
クローゼットの一番手前にあった、長袖の花柄のワンピースを手に取った。
今日は、少し肌寒いし...この隣にあるトレンチコートと合わせようかな。
こんなに、長く服選びをしたことなんてない。
亮太センパイに、可愛く見られたい。
亮太センパイは、どんな服を着るんだろう。
普段とは違うセンパイの姿が見れるんだなぁ...。
まだ、センパイと会ってもいないのに、会う前からドキドキする。
────今日のデートで、精一杯良い思い出を作ろう。


