「北斗聞いて‼ケータイ買うの‼」

「マジ‼連絡取れるようになるじゃん‼」

「うん‼」

「あかねって何人と付き合ったの?」
今なの?その質問…。

「一人…友達が決めた彼氏…」

「何それ?」

北斗の顔がくもる。

高校に入る前の、私の消したい過去を北斗に話した。

北斗には重たい話しだったかもしれない。
でも、巡り巡って何かのきっかけで知られる方が嫌だったから…全て話した。
例え…悪い方向にいったとしても。

返事待ちの私。

「俺は二人」

「えっ…?」

「元カノ」

私の話しはスルーなんだ。
これも北斗の優しさなんだけど。

一人は3か月…さゆりさんは二年…
意外に長いね。

私は一ヶ月で飽きられました…。

それ以来お互いの過去の恋ばなはしなかった。

帰り道の会話も変わらず。

でもね…北斗の足が止まった。

「どしたの?」

一ぎゅっ一

…北斗の心臓の音がする…
心地いい音…。
初めて抱き合った日。

付き合い始めて一週間。

この幸せがずっと続きますように…。


お互いバイトの日。
こんな日はなんでも出来そうな気がした。

浮かれてるだけなのに。

それでいいじゃん。
私だってハメ外したいじゃん。


明日はいよいよ念願のケータイ‼
バリバリ仕事しよ‼

本当に単純。

今日は久しぶりにプラネタリウムを見た。
無音で…。
静かな部屋。

北斗が運命の人でありますように…。

付き合って、その時間の中で相手の事を知っていく。
りこや北斗のおかげで、誰かと時間を共有する事の素晴らしさを学んだ。

きっとこの先、知りたくない事も知る日がくる。
その度に強さを身につけていく。

それが恋だ。

不安があったり、胸が痛くなる。

それが恋だ。

私は今からそれを知っていくんだ。

いや…知りたいんだ。