さかのぼる事1年前の夏…。

大翔は両親に私を紹介した。

そんな事になるとも思っていない私はデニムにTシャツ。

「今、付き合ってる彼女。佐藤 あかね、俺コイツ専門学校卒業したら結婚したい…」

そう両親に話した…。

待って…私聞いてないよ…。

「せっかく学校出るのに働かないの?」と大翔の母。

ごもっともです。

「籍入れたいから…子供はのちのち…」と大翔。

そうなの?聞いてません。

「大翔が決めた相手ならうちはいいけど…」と大翔の父。

うなずく母…。

私は聞いてないよ…。

「あかねの両親に会ってくる」と大翔。

「ちゃんと話さないとね…」と大翔の母。

「じゃぁ、行くわ」と大翔。


外に出た私は「聞いてないよ‼先に私じゃないの?」

「あかねは無理って事?」

「そうじゃなくて…プロポーズされてない…」

「両親に許可もらってからするから」

そう言われうちへ…

「いらっしゃい」と母。

お父さんまで出迎えに来た。

気まずい…絶対反対でしょ…それが普通だよ。

さっき大翔の両親に話した内容を伝える。

「学校卒業したら結婚させていただけませんか?」

驚くと思っていた両親は「どうぞ…こんな娘でよければ」

はい…?違うでしょ?あなたたち学費めっちゃかかったんだよ…私の生活費も…いいの?

大翔と両親の話しを聞けば、大翔は私がいない家に通って説得していたらしい…。

3ヶ月間…すごい粘ったね…。

せっかく資格取りに行かせたんだから何年かは働かせてほしいと…。

大翔はその約束をのんだ。

全然知らなかった…。

「仲良くやって」と父。

何?これ…。

私は大翔と家を後にした…。

最初に二人で会ったショッピングモールについた。

車の中は無言…話しについていけてない。

車を降りて向かった先は映画を見た後話をした場所。

深呼吸して…

「俺と結婚してください…」

これがプロポーズ…

「よろしくお願いします」

嬉しさと驚きで心の中はぐちゃぐちゃ。


初めて映画見て、ここで話した日から大翔は決めていたんだって…ずっと一緒がいいのはコイツって…。

時が経てばわがままになったり、色んな私を見たけど気持ちが変わらなかったんだって…。

大翔は「楽しい時も、苦しい時も、あかねとなら乗り越えていける」

そう言ってくれた。

「ありがとう…いつも私を大切にしてくれてありがとう」

そう言わずにいられなかった。


何でも自然にできる大翔はスゴイ…。


私は来年大翔と結婚する。

神木 あかね…似合いますか?

あなたに一生ついていきます。

何があっても…離れません。


最後に「必ず幸せにするから…」って。

そう言ってくれた。


今思えば、連絡がなかなか取れなかった期間は私の両親に話をしに来ていたんだね。

いつも私の知らないところで動く大翔。

最後の最後に「サプライズ」

大翔とだったら絶対幸せになれる。

就職もある程度給料がいい仕事を選んだのも、いずれ私を養っていけるように…。

私だけが好きで、私だけの気持ちが大きいと思っていた。

だけど、私以上に私の事を考えているのは結局大翔。

いつもそう…。

私は甘えているだけ…。

夢を叶えてこいと背中を押してくれたのも大翔。


私は大翔のために何かできてますか?

私は大翔にお返しをしないと…。

それは大翔をどんな時も信じて、支え合っていく事。

いつも…どんな時も…ついていきます…。