実習先へ行く。

大翔にも会えたし、やる気満々。

地下鉄のホーム…3番目の車両…北斗?


北斗は家を継ぐため大学に行ったのは知ってた。

まさかこんな所で見かけるとは…。

北斗変わってないね。

幼い顔も…。

話かけたりしない。

私は5番目の車両の場所で待つ。

ケータイ見ながら…。

懐かしいね。北斗…卒業式以来だね。

地下鉄が来た。

乗り込もうとした時…「あかね?」って呼んだ北斗。


「久しぶり」って…。

大好きだった笑顔で。


未練はない。

元気だった?とか勉強どう?とかそんな話し。

職種が似てるから話が合うのは当たり前だよね…。

先に降りるのは北斗。

「じゃ…お互い頑張ろうな」

私はうなずいて手を降った。


窓の外を見るとこっちを見てた…。

切なそうに…。

振られたのは私ですけど。


男はズルイ…都合いい時だけ求めようとする。

私は北斗を求めてない。


ただ会ったから、話しかけてきたから話しただけ。


変な気分。
見てみないフリしてくれた方がありがたかったのに。

元カレ…過去の人。


その誰にでも優しくしたりするとこ直した方がいいよ…。


私なりの反抗と仕返し。



だってね…降りる前に「別れなきゃ良かった…」

勝手だよ…今さら…嬉しくもない。


私は「彼氏いるから…別れたこと後悔してないよ」

そう言った。


大翔がいる…今の彼氏以上の人なんて考えられない。

今の私がこうしていられるのは大翔のお陰。


そうやって人を傷つけてきたの?

都合いい事言ってきたの?

最低…。

北斗はまた彼女と別れたの?

上手くいってないだけ?

本気で好きになった人いたの?


それは愛じゃないよ。


本気で心から愛せる人に出会えるといいね。

その時わかるよ。

愛は理屈じゃないし、都合いいものでもない。

失った苦しさも…わかるよ。


逃げるのが上手な今の北斗には無理だね…。

かっこよくないのに。


元カレ…久しぶりに会ったのにトキメキもない。

せめて、いい男になったなって思いたかった。

正直がっかり。


もったいないことしたなって思わせて欲しかった。


私をこれ以上がっかりさせないで…。

付き合った事を後悔させないで…。