私達はこの春から遠距離恋愛が始まる。

行くと決めたからには絶対資格は絶対取らなければいけない。


知り合いがいない学校。


大翔のいない生活…。

2年…耐えられるのかな?私…。


大翔は家を出て一人暮らしを始めた。

引っ越す前は大翔との都合が合えば遊びに行った。

やっぱりキレイ。

洗濯もちゃんとしていて、私が行ってもやることがない。


大翔といると落ち着く。

部屋もおしゃれでリビングと寝室の区切りがなくて、ロールカーテンで仕切るつくりになっている。

寝ながらテレビが見れる…。

この日は私が先に部屋へ。

ご飯をつくりに来た。

といってもカレーライスにサラダだけ…。

レパートリーがない私。


買い出ししてきた物を並べて料理を始めた。


まずまずのできなはず…。


キッチンを片付けて一休み。

ベッドに横になった…。

大翔の香り。

好きだなぁ。

あったかいなぁ。


…………寝てしまっていた。


「あかね?」


はっ‼えっ‼


「おかえり…ごめん‼寝ちゃった…」

大翔を見るとお風呂に入ったのか上半身はだか。


見ちゃいけないものを見てしまった気になる。


恥ずかしくなって「ご飯にしよっか‼」と立ち上がった瞬間…


一ふわっ一

抱きしめられた。

あったかい…。

だけど…だけど…それだけじゃなかった。


大翔は…私をベッドに寝かせた。

心臓が…心の準備が…


甘い甘いキス…


私は全てを大翔にあずけた。


ねぇ…私達…初めてだね…。


何度も行ってくれたね…「好きだよ…」「愛してるよ…」


離れたくない…このまま…くっついていたい…。


ねぇ…大翔…離れたくないよ…。

私…不安だよ…。

大翔は…?平気なの?


そんな甘い時間は一瞬。

あっという間に過ぎていく。

私の引っ越しの日。

大翔は…仕事。

朝連絡が来た。「頑張って来い」と。


「………うん」

きっと、電話の向こうで困った顔で笑ってる。

大翔も頑張ってるから…私も頑張るね…。


引っ越し先であけた荷物。

「少なっ」笑えた。


明後日は入学式。

制服ではなくスーツ。

もう学生だけど学生じゃない。

半社会人の始まり。


私は期待と見えない未来への不安を抱えて…。


私が選んだ学校は歯科衛生士科と歯科技工士科がある。

その年の歯科衛生士科に入学するのは72名。

女ばっかり。


濃い‼濃い‼濃い‼


一年目は基礎をがっちり学ぶ。

体の筋肉の名前とか病気の事、歯科材料や治療の名前と順番。

もちろん歯の事も。

歯にもちゃんと名称がある。

ノートには「歯」…一日何回もでてくる。

むしろこの感じばっかり。

私は隣の席の女の子と前、斜め前の子と話すようになった…友達ができてよかった。

私は斜め前の子と仲良くなった。

名前は「かなちゃん」。

おっとり、していてかわいい女の子。

彼氏と半同姓。私の2つ上。

専門学校は年齢も様々。

一番年上の人で42歳。


すごい…しかも既婚。


学校が終わったら友達と遊んだり、遊ばない日はノートをキレイに書き直したり…そんな毎日。

大翔とは30分くらい電話したり、仕事の合間にメールするくらい…会いたい。


テスト前なんて全然余裕なくて遊べない。


追試一教科…2000円。

えっ…お金かかるの?驚いた‼

だから落とすわけにいかない。

かなり必死‼

この生活2年…無理…。


しかも髪染めるとか化粧するとか禁止。

高校は化粧できたのに…。


一年目も実習があって歯科医院に行く。

緊張もするし…コワイ。

どすっぴんだし、メモ取るのに忙しい。

その後はレポート。


大翔くん、暇ないね…お互い…。


一年目でこんな感じ。


二年生になったら実習にヘルパーの資格、毎週模擬試験。

連絡もなかなか取れないまま…。


大翔は変わってない。

寂しいとか、会いにきてとか言わない。


「頑張れ」だけ。


たった2年…で学ぶには多すぎる内容。

夏休みはまた地元の歯医者さんでバイト。


甘かったよ…考え。

もっと楽しいのかと思ってた。

やること多すぎてパンクしそう…。


そうやって過ぎていく時間。


一年目はよかったよまだ…。

連絡取りながら、1ヶ月に一回は会えたかな…。



あと一年…

実習ばっかり…学校行くのは週一回。

実習先が遠いいと朝6時半には家を出る。

家に着くのは5時すぎ…

レポート書いて、メモをキレイに書き直す。


その繰り返し。


大翔は私と違って社会人。

会社の人とご飯食べに行ったりしているのがうらやましい

だけど、そういう日は連絡がない…。


余計寂しくなる…私だけが好きみたい…


この不安はどうしたらいいの?