街がイルミネーションの光で街が華やかになった。

どこへ行ってもクリスマス一色。
今日はゆうりくんへのプレゼントを買いに街にでた。

りこはゆうりくん愛用の香水を買っていた。
無難だからと即決め‼

その後ファーストフードのお店に入ると、ゆうりくんと知らない子がいた。

見るからにチャラそう…。

茶髪だし、耳にピアス…チャラそう…。

りこは何事もなく二人がいるテーブルにすわった。

「あかねもおいでよ」

「うん…」

気乗りしない。

けど、このタイミングで帰るのは感じ悪いしとりあえず座った。

ゆうりくんは「あかねちゃん、俺にくんとかいらないから。ゆうでいいから」

「うん…でも呼び慣れてるゆうりくんで…」

そんな話から話題はゆうりくんの隣の子。

話を聞くと他校で私の地元からバスで30分くらいの場所の学校だと知った。

話すと意外にも真面目?
見た目は語尾伸ばしたり、髪の毛指でくるくるしてそうなイメージ。

私古いよね?

本人には言えないけど。

茶髪だしピアスしてるけど進路を真剣に考えているらしい
…人は見た目によらないものだ。

唯一の私との共通点はコンビニでバイトしてる事。

「そうそう。こいつの名前そらだから…」

そらくん…大翔くんと書くらしい。

見た目によらず爽やかな名前。

私かなり失礼だね。
口がさけても言えないけど。言わないけど。

「私、あかね。よろしく」

「よろしく」

目を見て話すと吸い込まれそうになりそうな目。

嘘つけない目。

自分が話す時も、相手が話している時も顔を見て話したり聞いたりする。

だから私が言ったどうでもいい話しもこぼさず聞いて、返事をくれる。

そんな人。

北斗とは違うタイプ。
大翔くんは北斗じゃない…。
でもどこか似てる所を探してしまう。
あるわけないのに…。

街を歩いてても、後ろ姿が似てるだけで北斗かもってドキドキする。

今だって北斗と大翔くんを重ねようとしてる私は最低だ。

一度ハマってしまった甘い罠からなかなか抜け出せず、私はもがいていた。


大翔くんを見送る。

「どう?アイツ」とゆうりくん。

りこもどうなの?って顔してる。

「どうかな…合ったばっかりだしわかんないかな」

「そうだよね…でもアイツ見た目あんなだけど真面目なヤツだから良かったら仲良くして…俺のお墨付き」

そうなんだ…。

でも恋はもうこりごりなんだ。
未練タラタラだし…。

しばらくは前に進めそうにない。

だから今は友達でお願いします。



次の日からほぼ毎日大翔くんから電話が来た。

「部活してないの?」と私。

「俺か弱いから」と大翔くん。

おかしくて笑っちゃう答え。

「得意な科目は何?」と私。

「一生懸命話し聞いてるんだけど、全然わからない」
と大翔くん。

「嘘つき」と私。

お互いの事聞いたり、答えたり。

そんな時「前の彼氏どんな人?」

痛い話し。

「どんな人…あっという間に好きになった人。私自分に自信なくてウジウジしてたけど、そんな私を強くしてくれた人かな…」

「ふーん…」

「大翔くんは前の彼女どんな人だったの?」

「どんな人…聞かれると難しいな。ワガママで素直じゃなくてケンカばっかりしてた。束縛ひどくて別れた」

「そうなんだ…」

男友達とも遊べなかったとか、バイト終わるまで店の前にいたりで疲れたと言っていた。

愛されていたんだね。
それも一つの愛の形。

そんな会話をしていた時「明日バイト?」

明日は…「休みだよ」

「映画行かない?」

見たい映画がある‼行きたい‼

「行く‼」

「見たい映画せーので言わない?」

「いいよ‼せーの」

「一 一」

まさかの同じタイトル‼

二人ともビックリした。
まさか気が合うとは…。

映画を見る約束をした。
大翔くんは明日早く学校終わるからこっちに来てくれる事になった。

ずっと見たかった映画。
楽しみで仕方なかった。

感動して泣きそうだからハンカチとティシュの準備をして寝た。

母に今日は帰り遅くなるからと言って学校へ行った。

いつもの通学路。
北斗の後ろ姿…。

ケータイが鳴る。

大翔くん…「おはよ‼映画楽しみだね」

「だね‼学校終わったらすぐ行くね‼」

スタンプでOKと返事がきた。

予定があるっていいね。
しかも映画…久しぶり。

帰りのコールが終わって外を見ると大翔くんがいた。

他校の制服は目立つ…。

私は急いで外に出た。

「おつかれ‼」と笑って手をあげた。

「おつかれ‼行こう‼」

念願の映画で私はワクワクしてた。

ここから歩いて15分くらいの場所にショッピングモールがある。
その中の映画館で見ることになった。

チケット買って、お決まりのポップコーンを買う。

まだ映画まで時間がある。
イスにすわって待つ事にした。

絶対泣いちゃいそうだからティシュいっぱい持ってきたとか大翔くんは財布忘れて急いで家に取りに行ったとか、そんな話をしていた。

見た目と違って真っ直ぐな人。

優しいけど、曖昧な返事をしない。

だから話しやすいし、相談できる。

でも友達…。
それ以上の感情はない。

私は北斗が運命の人だと思ってるから…

いつかまた繋がれると心のどこかで願っていた。