泣き崩れるおばさんとその肩を抱いて泣くおじさん。

お母さんとお姉ちゃんは私を抱き締めながら泣いていて、お父さんも隣に座り込んで泣いていた。

あゆむくんとのりこちゃんも壁にもたれ掛かるように寄り添って泣いていた。

私はといえば、泣きすぎて反対に泣けなくなっていた。
海音くんの所へ行かなきゃ。
だって、お医者さんは酷いよ。クリスマスに冗談を言うなんて……海音くんも意地悪だよ。

フラリと立ち上がり処置室へと歩く。

「倫…?何処行くの?」

「海音くんの顔を見ないと。じゃないと信じない…」

お母さんの問いに答えて振り向くことなく歩く。
お医者さんも看護士さんも私を止めない。あゆむくんとのりこちゃんが一緒に付いてきてくれている。だって、私の手を握って歩いてくれている。