ただ、貴方に逢いたい

私をチラリとなんとも言えない顔でこちらを見る。

「海音くんは、倫ちゃんのクリスマスプレゼントを買いに今日早めに出て街の方に行くって…」

「えっ!?」

私へのプレゼントを買いに行くから早く出掛けたって……街の方ってもしかして雑貨屋に行ったの?

「三日月に座るうさぎのペンダント…」

私がポツリと呟くと二人が頷いた。

「……行かなきゃ!海音くんの所へ行かなきゃ!!」

私たちは駆け出した。雑貨屋はさっきの衝撃音のした方だったから。急がないと!
電話をしながら走る。やっぱり呼び出し音だけが響く。

騒ぎの場所は凄かった。パトカーと救急車が何台も来ていて野次馬もいっぱいだった。

「凄い勢いでトラックが突っ込んだらしい」

「軽自動車にトラックが突っ込んだみたいだけど、勢いがついてたからそのまま歩道に……」

「ひどいなぁ」

周りの人たちの話で事故の内容はわかった。

「海音くんは無事なの?何処なの!」