ただ、貴方に逢いたい

どうしたらいいのか動けない。足が震えて立てない。

「倫ちゃん…！」

「……！？」

名前を呼ばれて顔をあげる。
だけど、そこに居たのはのりこちゃんで…。

「なん…でのりこちゃんが居るの？」

「私だけじゃないというか…」

「俺も居るんだけど」

あゆむくんと一緒にいたらしいのりこちゃんに

「なんで二人がここに？」

「それは海音たちを覗きにきたって……ヤベッ！」

バチコンとのりこちゃんに叩かれているあゆむくんを冷めた目で見つめていると

「そっ、それはいいとして倫ちゃん泣いてたよね？」

慌てたように話を逸らされたものの確かに泣いてた。思い出したらまた涙が出てくる。

「うっ…うっ…、海音くんと連絡が取れないの」

私が泣きながら伝えると二人は顔を見合わせて

「さっきの事故に……もしかしたら」

私の不安が増す言葉が聞こえた。