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あくる朝。



「みんな」



彼が隊員を召集した。



「この戦争では死ぬな。

生きることを第一に考えろ。」



俺は、昨晩もこんな表情でいっていたな、と思い出した。



そして、やはりみんなは驚いた顔をした。



「本当に命を賭すべき時がくるまで、その命を無駄にするな。

これは、まだ皮切りだ。駒代わりに死ぬな」



「はい!」



「次の支給を待つんだ。そこまでが勝負だぞ。」



俺たちが現在持っている武器と食料は、

余りにも少ないものだった。



その場で死ぬことを前提にされ、

死線を乗り切ることを考えられていない量だった。



「はい!」



「生きて帰るぞ!」



「はい!」



「歯を食いしばって生き伸びろ!」



「はい!」



隊員から涙が出る。



誰もがこの言葉に救われたことがわかった。



「いくぞ!」



「はい!」



戦火の真っ只中に、

俺たちは突っ込んでいった。



生きる希望を胸に、

俺たちは焼地を駆けた。