私が教室に入ると、騒がしかった教室が静かになった。 


達也と同じクラスがよかったな…。 


今さらそんな事を思ってもどうしようもないのに。 

席につくと、コソコソなにかを言っているのが聞こえる。 


早く先生来ないかな… 


私は鋭い視線の中、ずっとうつむいていた。 



「サキッ!!」


「達也君…」


達也は休み時間、いつも来てくれた。 


それが安心できて、あまりうつむかなくなった。


「今日、一緒に帰らねぇ?」


「えっと、ごめん。お兄ちゃんと帰るから…」


「そっか。」


「サキ。帰んぞ。」


「お兄ちゃん!」


お兄ちゃんは不機嫌っぽい。まぁ、昨日の今日で仲良くしてんだもんね。 


ヤキモチかな? 
淡い期待を抱く。 


「じゃぁ、達也バイバイ!!」


「おう!バイバイ!」


達也としゃべってると落ち着く。好きなのかな?達也の事… 
でも私はお兄ちゃんが好きだし…


私の頭の中は大混乱。 


「サキってちょーし良いー!せっかく達也が誘ってくれてんのに〜」


「何?近親相姦?気持ちわる〜!!」


やめて…
お兄ちゃんの前でそんな事いわないで。 


「ゆっとくけど。
俺達は近親相姦なんてしてないし。 
それに血つながってないから。」 


お兄ちゃん…血つながってないってどういう事? 


私の頭の中はハテナでいっぱい。 


「サキ。帰んぞ。」


そういって、お兄ちゃんは私を連れていった。