【完】不器用な彼はマイヒーロー




あの時、ヒロくん…なんて言おうとしてたのかな?

気になるな…。

でも…あたしの精一杯の想いを伝えなきゃ…!!

病室の前でほっぺをペシンッと軽く叩いて自分に気合を入れて、コンコンッ、とノックする。


「はい」


ヒロくんはどうやら、もう普通に話せるみたい。


「宮本です…」

「誰?」


えっ…!?記憶障害…!?
だって、先生は異常はないって…!?


「お、覚えてないっ…!?」

「嘘に決まってんだろ、覚えてるよ。早く入れ」


う、嘘…!?

もうっ…ヒロくん病人なのにいつも通りじゃん…!!

でも、まあ元気そうで何より。