そこからは、綾乃に必死の思いであの花束を渡してから俺は意識を手放した。


あの花の意味もちゃんと調べた。
確かに綾乃の言った通りの花言葉だった。

だからこそ、綾乃にあげたくなったんだ。


綾乃を守れてよかった。

俺はただそれだけを思った。
綾乃が生きていてくれたなら、それでいい。


だけど、どうせなら好きだと伝えたかった。
十年以上想っていたから…。


「大翔くん…。」


えっ…!?

俺はすげぇ懐かしいその声に思わず、自分の耳を疑った。

驚きながらも後ろからして振り向くと、
そこには昔と変わらない笑顔を俺に向けてくれた…綾乃のおじさんがいた。