【大翔side】 ────────… ──────… 「んんっ…」 目を覚ましてみると、俺は真っ白な世界にいた。 どこを見渡しても色はなくて、建物を一切ない。 「ここは…。俺、死んじまったのか?」 あの日、俺は綾乃にあの花束を持って告白しに行くつもりだった。 だけど、家に向かう途中に信号待ちしている綾乃を見かけて、声をかけようとした時に 信号無視した車が綾乃にぶつかりかけて、咄嗟に綾乃を助けなきゃって思って飛び出したんだ。