「ええ。大翔が中学になった時ぐらいかしらね、
急に『俺、医者になる』って言い始めたのよ」
だから、ヒロくんはどんなに賢くても高校の勉強も手を抜かなかったんだ。
お医者さんの国家試験はすごく難しいって聞いたことがあるから。
「一つの理由は、綾乃ちゃんのお父さんが亡くなってしまったことだと思うわ。
大翔は綾乃ちゃんのお父さんのことを本当に慕っていたから…」
ヒロくんのママは窓を見つめているけど本当はどこか遠くを見つめている気がした。
ヒロくん、パパのこと尊敬してるって言ってた。
「もう一つは、大翔は独占欲が強いから
綾乃ちゃんを他の男の先生に診察されたくなかったのかもねっ…。」



