「全部、綾乃ちゃんのためだよ」 お姉さんはそういって涙をこらえながら笑う。 まさか…そんな…。 どうして、ヒロくんがあたしのためなんかに? 「大翔、急に綾乃のことは俺が守るんだーって言い出して、今まで一切手をつけなかった勉強も熱心にしだして、スポーツも手を抜かなかった。」 「でも、どうして…」 どうしてそんなのとする必要があるの? 「そう。あたしも不思議で聞いたの。 そしたら、『勉強は綾乃が分からないところを教えるため。スポーツは綾乃を助けるための体力をつけるため』って言ったのよ」