清水くんがいたからあたしはここまで来れたんだ。
清水くんがいなかったらあたしはヒロくんへの想いを封印していたはず。
だから、ほんとにありがとう…。
心の中でもう一度お礼を言ってから屋上のドアを開けて、千秋ちゃんのところに向かった。
清水くんにはあたしよりもきっといい人が現れる。
それはあたしが保証できるよ。
だって、彼は見た目はチャラいけどほんとはすごく真面目で優しい人だから。
「あーあ…俺、失恋しちゃった。
頑張れよ、本気で好きだった人…」
清水くんが青く透き通った空を見上げてぽつり、とそう言って静かに涙を流していたことをあたしは知らない。



