【完】不器用な彼はマイヒーロー




「ちょっと、俺担任呼んでくるわ」


逃げるようにその場から立ち去った清水くん。

どうしたんだろう…?
いつもの清水くんじゃないのなんて丸わかり。


パッと自分の腕に視線を落とすと、体操着の上の服を肩にかけられている事に気がついた。


清水くんのかな…?
体操着、着てなかったし。



だけど、その時開けっ放しだった窓からピューっと風が吹いてきて、その体操着から懐かしい匂いがした。


まさか…そんな。


「これ、ヒロくんの…?」


間違いない。
だって、あの優しくて安心するような匂いがするのはヒロくんだけだもん。


それに、あの時借りたブレザーの匂いと一緒…。


でも、どうして…?
ここに運んできたのは清水くんなのに?