「あら、綾乃っ!!ずぶ濡れじゃない!?
傘、持っていってなかったの?!」
ママはあたしが泣いていたことには気づいてないみたい。
よかった…。
ママには余計な心配をかけるわけにはいけないから。
「うん…、お風呂入ってくるね」
それからお風呂から上がっても何もする気にはなれなかった。
そんな様子に気づいたママが夕飯の支度をしている時に急に話し始めた。
「ママね、最初はパパのことなんて全然好きじゃなかったの。
でもね、パパはいつもママのことを助けてくれてそれでママも段々惹かれていったの。
まぁ、まさか先に逝かれるなんて思ってもなかったけどね」
そう言ったママはなんとも言えないような表情をしていた。
きっと、ママはあたしが泣いていたことにも、何かあったことも全部分かってるけどわざと聞いてこないんだ。
そんなママの優しさにまた泣きそうになる。



