ふと、視線をなかなか戻ってこない千秋ちゃんにやると…
そこにはあたしの見たくなかった光景が広がっていた。
だって、千秋ちゃんが砂に足を取られて転びそうになったのをヒロくんが支えて、そのまま二人は照れ笑いしながらこっちに向かっていたのだから。
胸が熱くなってキリキリと痛む。
こんなのが見たかったわけじゃない…。
だけど、これでよかったんだ。
あたしの気持ちは未だに矛盾したまま。
「綾乃ちゃん。あんなのはたまたまだから気にしない方がいいよ」
優しい清水くんはフォローしてくれるけどやっぱりあの光景は受け入れがたいものだった。
「綾乃~っ!!」
元気よくあたしに向かって走って手を振る千秋ちゃん。
あたしもすかさず、手を振る。



