どうして、そんな顔するの?
ヒロくんには好きな人がいるくせにどうしてあたしなんかに意地悪するの?
キス詐欺なんかするの?
騙されたあたしもあたしだけど、これ以上変な期待…させないでよ。
「ヒロくんのバカッ!!」
ヒロくんの男らしい胸のポンッと叩いてからあたしは二人がはしゃいでいる海へと走った。
こんなの八つ当たりだなんてことは分かってた。
子供だって思われてもいい。
どうせ、あたしは子供なんだから。
叶わない事なんて百も承知だったのに…こんなに期待させられて…、悔しいよ。
後ろから、「待てよ、綾乃!」なんて声が聞こえたけど、無視して走り続けた。



