「なーんてな」 恐る恐る瞼を上げると、あたしの視界に入ったのはヒロくんの笑った顔 え…、あの一瞬何が起こったの? 「安心しろ。キスなんかしてねぇから」 「えっ…でも…」 無意識に唇に手を当てる。 気のせいだったのかな…? でも、確かに感じた変な感触……。 「薬用リップを口に当てたんだよ」 そう言ってキャップの外れた薬用リップをあたしに見せる。 ヒロくんは悲しげに笑っていたけど、あたしは何だかやるせない気持ちになった。