「今日はボーッとすんじゃねぇぞ」
「あっ、うん!」
考え事をしていたらいつの間にかあたしのクラスの前まで来ていた。
「もうすでにボーッとしてるけどな。じゃあな」
「だ、大丈夫だって!」
多分だけど…。
それからヒロくんが自分の教室に行くのを見届けてからあたしも教室に入ろうとした時
「綾乃ちゃん!」
後ろから声がして振り返ると、そこにはクラスメイトの清水くんが小さな笑みを浮かべて立っていた。
「おはよう、清水くん!」
清水くんとは昨日初めて話した仲。
というのもヒロくんへの恋心に気づかせてくれた張本人なのだから、感謝している。
彼は少し見た目はチャラいけど、あたしの悩みを何も言わずに聞いてくれた優しい人。
相談した相手が清水くんでよかったなって思ってる。