リビングに近づくにつれてうっすらと匂いが鼻に届く。
風邪をひいてるから何を作ってるかまではわかんねぇけど。
リビングに入るとキッチンでコンコンと包丁で野菜を切っている綾乃がいた。
それも陽気に鼻歌まで歌いながら。
そんなところがすげぇ可愛くて
思わず、抱きしめたくなる…
「あれ…!?ヒロくんは寝とかなきゃいけないよ!!」
俺に気づいた綾乃はあたふたしている。
そんなにオドオドしてたら怪我するぞ?
「参考書…返す。ありがと…ゴホッ」
丸いテーブルに置いてあった参考書を手に取って
ソファーの上に置かれていた綾乃のブレザーの上に置いた。



