「ほら、行くぞ」
「うんっ!」
走るのが苦手なのを分かってくれているヒロくんは心なしかあたしのペースに合わせてくれている。
ヒロくんも遅刻したらめんどくさいはずなのにこんな時まであたしのことを気遣ってくれるなんて、やっぱり彼は優しい人だ。
「じゃあ、俺はこっちだから。
授業中…またボーッとすんなよ」
遅刻寸前だというのに、あたしの髪の毛の上にポンッと手を置いて
優しく目を細めると、自分の教室までダッシュで走っていってしまった。
あたしはしばらく放心状態
こんなこと初めてされたって訳じゃないのに……なんか胸がドキドキしてる。
走り過ぎたのかな…?
いや…、あたしはそんなに走ってないしな。
うーん…わかんないや…。



